「それを俺らが言ったらまずいんじゃね?」
なんて戯れ言をいいながらキャンパスを南下していくと、どんどん女の子が少なくなっていく。文系の建物はキャンパスの東に集中していて、西には理系、南には工学部しかない。文系の建物は新しくてピカピカしていて、そして雰囲気はきらきらしているのに、工学部ときたら、むき出しのコンクリ壁面に何本もの亀裂が入っているほど古びた建物ばかり。そりゃ女の子が近寄るわけも無い。そんな建物のうちの一つ。ところどころペンキが剥げていて錆が目立つ鉄扉を開き、すぐ手前の階段を昇り、そして建物中程の部屋に入るとポンプのけたたましい音が鳴り響いていた。気圧計を見るとプラズマ放電を伴う実験を開始するには後半日くらいかかりそうだ。
そんな感じに応用物理学科の学生でした。
授業で面白かったのは流体力学くらいなもので、面白かったという記憶はあるものの、その中身については全く覚えていないという、微分積分?なにそれ?美味しい?ってな生活に落ち着いております。てか、本当に忘れ過ぎです。そんな状態でもこの本は面白い。宇宙を作る事が出来るかという命題に(キュートで可愛い女の子、さらに純度99%のツンツンときてる)天才物理学生が挑む。まあ、主人公は落ちこぼれの男子学生なのですが、これがまた本当に物理学生か?というキャラクターで非常に親近感が。
小難しい話が出てくるものの基本的に読み流して大丈夫だし、理解しようなんて考える方が無駄。何せ考えているのは天才で、主人公(そして読み手)は凡才。何より、卒業の単位が足りないだとか、田んぼだとか、合コンだとか、女の子だとか、そっちの方が話の軸なような感じ。
「オススメ」されているから読んだわけではなく、本屋に行ったら線が細くてキュートで可愛い店員さんの視線が気になって何も買わずに本屋を出る事が出来ずに平積みしてあった本の中から選んだのがこの本だったのでした。でも読んで納得。「オススメ」です。


